2010/06/14

不一致のもたらす不幸

ある鉄工所の親のもとで育ったAさんは、
小さい頃から苦労をしていた親の姿を目の当たりにしてきました。

手形の不渡りによる資金繰りの悪化

資金繰り悪化による、従業員への給料が払えない苦しみ

生活への不安

これらが身にしみていた両親からは、立派な企業の会社員になることが
一番安定で賢い選択であることを、常々教え続けられてきました。

Aさんもその事を疑うことなく、懸命に勉強して一流大学を出て
みごと一流商社に勤めることができました。

勤勉で真面目なAさんは、顧客からはもちろん社内の評価もよく
トントン拍子に出世して、30代にしてマネージャーに任命される程でした。
収入の面でも若くして成功者の仲間入りです。

マネージャーとなったAさんは、更に一生懸命働くようになって
いつも会社には朝早く出て、夜遅くまで頑張っていました。
休日出勤もマネージャーとして当たり前のようになっていました。


そんなある日、外勤から戻ってきたAさんは顔色が悪く
トイレに立った後、遂に気を失って倒れてしまいました。
原因は、過労とストレスでした。

入院したAさんは、いつの間にか体重は20キロ増えて
肝硬変を患っていたことが判明しました。
結局入院して退院するのに2か月以上かかってしまいました。


Aさんは、最初は仕事がそこまで辛くはなかったようですが、
責任あるポジションになるにつれ、心理的な負担が増えたようです。
加えて4人家族で転勤族だったAさんは、家族と接する時間が減り
転勤が原因の家庭内不和がいつしか当たり前となっていました。

仕事と家庭との狭間で、心理的な負担を感じていましたが
忙しい日常に流されるまま、既に感覚はマヒしていました。
そこへ過労が重なったことが今回の病気の原因でした。



さて、毎日を忙しくバリバリと頑張っているサラリーマンの方には
決して関係ない話ではないと思いますが、いかがでしょうか?

一流企業で活躍して、世間から見れば幸せなサラリーマンですが
蓋を開けてみれば決して幸せではない人も多く見られます。


何に向かっていけばいいのでしょうか。

何のために生きているのでしょうか。


これからの日本は人口が減り、老人が増え、若者が減り
ますます厳しい時代になると言われています。
そんな中でも幸せに生きてゆくために、何が必要でしょうか?

企業が淘汰されてゆくであろう今後も
不安なく過ごしてゆくために、今の方法を続けてゆくということ
そのものも考えるべき時期に来ているとも言えるのではないでしょうか。