2011/01/31

なぜ、話が受け入れられないのか

話を聞いてもらう。

対面にしても、メールにしても、サイトにしても、
ビジネスの入口に該当するものです。

話を聞いてもらうために必要なことについて書きたいと思います。



人間には、自尊心があります。

自身の行動や家族、友人、仕事、趣味、所有物どれにも愛着があって
自分以外の人からの誹謗・中傷には、無意識に防御態勢を取ってしまうのが常です。


しかしながら、愛着があったとしてもより詳しい人から見れば、
見直した方が良い見識や勘違い、より深い洞察などはあるものです。

それを指摘された時に人は、どのような態度を取るのでしょうか。


素直に新しい知見を取り入れることは、なかなか難しいと思います。

日頃から大切にしているからこそ、
簡単に尚更人の意見は受け入れることができません。


では、どのような形であれば、受け入れられるでしょうか。


仮にここで、2つのタイプを考えてみましょう。

片方は、世界的に有名な権威のある学者
もう片方は、分別のあるセールスマンだとします。


学者は自分の理論の正当性を下に、皆さんに対して説明をします。
筋道が立っており、誰が聞いても納得できる、道理を得た説明ができます。

ただ、皆さんに対する配慮よりも、正しいかどうかに特化しています。


分別のあるセールスマンは、皆さんの事をまず考えます。
皆さんが日頃大切にしている様子や背景を下に、その意味や重要性を伝えます。

そして、現在が間違っていないことを前提として
仮に新しい見識をもとに考えたらどうなるのかを質問してみます。

セールスマンは、あくまで正しいのは相手であることを前提に
皆さんに考えてもらう事を第一に考えています。


この2者で、同じ新しい知見やサービスを了解してもらうように
当事者に話をしてもらったとして、どちらを選ばれるでしょうか。


学者だ!
という方もいらっしゃるかもしれませんが、

おそらくセールスマンの方を選ぼう
と思われたのではないでしょうか。


目的を、相手への理解とした時には、
正しいかどうかは、2の次だという事になります。


何よりも心に留めておきたいことは、
相手が話をまず聞いてくれるのかどうかであり

話を聞いた後で、本人がどう感じるのか
という点が大切なのだという事です。



起業家にありがちなのは、視野が狭くなってしまう事です。

このサービスならきっと役立つに違いない。
今のサービスよりも便利で安いなら、選ばない理由が無い。

そんな意見をお客さんにぶつけようものなら
受け入れられる可能性は低くなります。


May I help you ?

いらっしゃいませと訳されますが、
何かお手伝いできることがあるでしょうか?
という意味です。


このような姿勢を持った上での見識ならば
相手の素直な気持ちを引き出すことも可能だと思います。


慣れた相手にこそ、より深い心配りをすることで
さらに関係が深められるのではないでしょうか。